浮上するときに体が浮きすぎる原因

スキル・安全

ダイビング中に、

「浮上しようと思ったら、一気に浮いてしまった」

「安全停止の水深をキープできない」

「5mにいたはずなのに、気付いたらもっと浅くなっていた」

そんな経験はありませんか?

浮上は潜降以上に、自分の浮力をコントロールすることが重要な場面です。

特に初心者の方は、「浮上したいからBCDに空気を入れる」という操作に意識が向きやすいですが、実はそれだけではありません。

今回は、浮上するときに体が浮きすぎてしまう原因についてお話しします。


① BCDに空気を入れすぎている

まず考えられるのが、

BCDへの給気量が多すぎることです。

「浮上しないから、もう少し空気を入れよう」

と何度も給気していると、BCDの中の空気が増えすぎてしまいます。

すると浮力が一気に大きくなり、

「少し浮くつもりだったのに、どんどん浮いてしまう」

という状態になることがあります。

BCDへの給気は、一度に大量に入れるのではなく、必要に応じて少しずつ調整することが大切です。


② 浅くなるほど浮力が大きくなる

浮上で特に注意したいのが、

浅くなるほど空気が膨張することです。

例えば、BCDや肺の中に空気が入っている状態で浮上すると、周囲の水圧が下がるにつれて、その空気は膨張します。

すると、

浮く
↓
空気が膨張する
↓
さらに浮く
↓
さらに空気が膨張する

という状態になりやすくなります。

これが、浮上中に「急に浮き始めた」と感じる大きな理由の一つです。

そのため、

浮上するときほど、自分の浮力をこまめに確認する

ことが重要です。


③ BCDの空気を抜くタイミングが遅い

浮上しすぎてしまう人は、

「浮き始めてから空気を抜こう」

と考えていることがあります。

しかし、浮上速度が速くなってからでは、対応が遅れてしまうことがあります。

浮上するときは、

「浮きすぎてから対処する」のではなく、「浮き始めた段階で調整する」

ことが大切です。

BCDの排気ボタンを操作しながら、

自分がどのくらい浮いているのかを確認しましょう。


④ 呼吸を意識しすぎている

浮上するとき、

「息を吐けば沈む」

と考えて、必要以上に呼吸を変えてしまう人もいます。

呼吸によって浮力は変化しますが、

息を止めて浮力をコントロールするのは危険です。

ダイビング中は、基本的に呼吸を止めず、落ち着いて呼吸を続けることが大切です。

浮力の調整はBCDを使いながら行い、呼吸は自然に続けましょう。


⑤ 姿勢によって空気が抜けにくくなっている

BCDの空気を抜いているのに、

「なかなか浮力が減らない」

という場合は、姿勢も確認してみましょう。

BCDの中の空気は上へ移動します。

そのため、排気口の位置や自分の姿勢によっては、空気が排気口まで移動しにくいことがあります。

浮上中はインストラクターの指示に従いながら、空気を抜きやすい姿勢を作ることも重要です。


安全停止では特に注意

浮上しすぎることが問題になりやすいのが、

安全停止です。

例えば、

「水深5mで安全停止をする」

としても、気付かないうちに6m、7mと浅くなってしまうことがあります。

さらに浅い水深では水圧の変化が大きくなるため、浮力の変化も感じやすくなります。

安全停止中は、

「止まっているつもり」ではなく、実際の水深を確認する

ことが大切です。

ダイブコンピューターなどを確認しながら、必要に応じてBCDを微調整しましょう。


浮上は「一気に上がる」のではなく「コントロールする」

浮上するとき、

「浮力を作って上がる」

というイメージを持つ方もいます。

しかし、実際には、

ゆっくり浮上しながら、その浮力をコントロールする

ことが重要です。

浮き始めたら、

「今、浮力が増えているな」

と感じ取り、

必要に応じてBCDから空気を抜きます。

この繰り返しによって、浮上速度を安定させることができます。


浮上しすぎたときはどうする?

もし浮上中に、

「思ったより浮いている」

と感じたら、まずは慌てないこと。

インストラクターやバディがいる場合は、必要に応じて合図を出しましょう。

そして、BCDの空気を適切に排気しながら、浮上速度をコントロールします。

絶対に息を止めないことも重要です。

すでに急速に浮上してしまっている場合などは、自己判断で無理に対応しようとせず、インストラクターやダイブリーダーの指示に従ってください。


上手なダイバーほど「少しずつ」調整している

浮力調整が上手なダイバーを見ていると、

大きな操作をしていません。

少し給気する。

少し排気する。

呼吸を続ける。

水深を確認する。

そしてまた微調整する。

この小さな操作を繰り返しています。

浮力は、

「一度決めたら終わり」ではなく、常に微調整するもの

と考えると分かりやすいでしょう。


浮上するときに体が浮きすぎる原因には、

BCDに空気を入れすぎること、浅くなることで空気が膨張すること、排気が遅れること、姿勢など、さまざまな要因があります。

特に覚えておきたいのは、

浅くなるほど浮力の変化に注意すること。

そして、

浮きすぎてから慌てるのではなく、浮き始めた段階で少しずつ調整すること。

この2つです。

浮上は「上に行く」だけの動作ではありません。

安全に、ゆっくり、コントロールしながら浮上すること。

これができるようになると、安全停止も安定し、ダイビング全体に余裕が生まれてきます。

焦らず、少しずつ浮力を感じながら練習していきましょう。


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