ダイビングで耳抜きができない原因と対処法

スキル・安全

ダイビングを始めたばかりの方から、よく聞く悩みのひとつが「耳抜きがうまくできない」というものです。

周りの人は普通に潜降しているのに、自分だけ耳が痛くなったり、耳抜きができずに潜れなくなったりすると、焦ってしまいますよね。

しかし、耳抜きができないからといって、ダイビングに向いていないとは限りません。

大切なのは、耳抜きができない原因を知り、正しい方法で対処すること。そして、無理に潜ろうとしないことです。

今回は、ダイビングで耳抜きができない主な原因と対処法について解説します。

そもそも、なぜダイビングでは耳抜きが必要なの?

水中に潜ると、水圧が大きくなります。

すると、鼓膜の内側にある中耳と外側の圧力に差が生じ、耳に詰まったような感覚や痛みが出ることがあります。

この圧力差を調整するために行うのが「耳抜き」です。

耳抜きがうまくできない状態で潜り続けると、耳の痛みが強くなったり、耳の内部を傷めたりする可能性があります。

そのため、耳抜きは痛くなってから頑張るのではなく、痛みが出る前からこまめに行うことが大切です。

ダイビングで耳抜きができない5つの原因

1. 耳抜きを始めるタイミングが遅い

耳抜きができない原因として多いのが、始めるタイミングの遅れです。

「耳が痛くなってきたから耳抜きをしよう」と考えていると、すでに圧力差が大きくなっていて、抜けにくくなっていることがあります。

潜降を始めたら、耳に違和感がなくても早めに耳抜きを行い、その後も少しずつ深度を下げながら繰り返しましょう。

2. 一気に深く潜ろうとしている

早く水底に着こうとして、勢いよく潜降していませんか?

深くなるほど水圧は大きくなるため、耳抜きが追いつかなくなることがあります。

耳抜きが苦手な方は、ゆっくりと潜降し、耳の状態を確認しながら進むことが大切です。

耳抜きができなければ、そこで潜降を止めましょう。

3. 耳抜きの方法が合っていない

耳抜きにはいくつかの方法があります。

代表的なのは、鼻をつまみ、口を閉じた状態でごく軽く鼻に息を送る「バルサルバ法」です。

ただし、強く息を送り込めばよいわけではありません。力を入れすぎると、耳を傷める危険があります。

また、あごを動かしたり、つばを飲み込んだりする方法で耳抜きがしやすくなる方もいます。

自分に合った方法を、インストラクターの指導のもとで確認しましょう。

4. 鼻づまりや体調不良がある

風邪やアレルギーなどで鼻が詰まっていると、耳と鼻の奥をつなぐ耳管が開きにくくなり、耳抜きが難しくなることがあります。

普段は問題なく耳抜きができる方でも、体調によってうまくできないことがあります。

耳抜きができないほど鼻が詰まっている場合や、耳に痛みがある場合は、無理に潜らないでください。

薬で一時的に鼻づまりを抑えて潜ることも、薬の効果が切れたときなどに問題が起きる可能性があるため、安易に判断しないことが大切です。

5. 緊張して力が入っている

初めてのダイビングでは、緊張して体に力が入ってしまうことがあります。

呼吸が浅くなったり、焦って何度も強く耳抜きをしたりすると、かえって落ち着いて対処できなくなることもあります。

まずは落ち着いて呼吸を続け、ゆっくり行動することを意識しましょう。

ただし、耳抜きができない原因は緊張だけとは限りません。リラックスすれば必ず解決するというわけではないため、できないときは潜降を止めることが先決です。

耳抜きができないときの正しい対処法

実際に水中で耳抜きができなくなったら、次の順番で対処しましょう。

① すぐに潜降を止める

耳が痛い、詰まった感じがする、耳抜きができない。

そんなときは、無理に深く潜ろうとせず、その場で潜降を止めます。

② 少し浅い位置に戻る

必要に応じて、痛みが和らぐところまでゆっくり浅い位置に戻ります。

そのうえで、力を入れずに耳抜きを試してみましょう。

③ それでもできなければ、潜降を中止する

耳抜きができないまま潜り続けてはいけません。

何度か試しても改善しない場合は、インストラクターやバディに合図して、潜降を中止しましょう。

その日のダイビングを中止する判断が必要になることもあります。

耳抜きができないときに、痛みを我慢して潜るのは絶対に避けてください。

また、強く息を送り込んで無理やり耳抜きをすることも避けましょう。

耳抜きを上手に行うための5つのコツ

耳抜きが苦手な方は、次のポイントを意識してみてください。

  • 潜降前に耳抜きを確認する: 水面で無理なくできるか確認しておく。
  • 早めに始める: 耳が痛くなる前からこまめに行う。
  • ゆっくり潜降する: 耳抜きが追いつかないときは、いったん止まる。
  • 力を入れすぎない: 強く息を送り込まず、やさしく行う。
  • インストラクターに伝える: 耳抜きが苦手なことを事前に伝え、サポートを受ける。

耳抜きができるか不安な方は、潜降の前に遠慮なく相談してください。

耳抜きができない日は、ダイビングを中止してもいい

耳抜きがうまくできないと、「せっかく海まで来たのだから潜りたい」と思うかもしれません。

一緒に来た人が潜っていると、自分だけ中止するのは申し訳ないと感じることもあるでしょう。

しかし、耳抜きができない状態で無理に潜ることは、安全なダイビングとはいえません。

ダイビングは、必ず予定どおり潜らなければいけないものではありません。

体調や海況、そして自分の状態を確認し、危険があると判断したときには中止することも大切な技術です。

私が大切にしているのは、楽しさよりも安全を優先することです。

その日のダイビングをあきらめることが、次のダイビングを安全に楽しむことにつながる場合もあります。

まさに、ダイビングには「あきらめる勇気」も必要なのです。

まとめ

ダイビングで耳抜きができない原因には、タイミングの遅れ、潜降速度、耳抜きの方法、鼻づまりや体調不良など、さまざまなものがあります。

大切なのは、耳が痛くなる前からこまめに耳抜きを行い、できないときには無理に潜らないことです。

耳抜きができないことを恥ずかしがる必要はありません。初心者でも経験者でも、耳抜きが難しい日や体調によってうまくいかない日はあります。

耳の痛みが残る、聞こえにくい、めまいがするなどの症状がある場合は、ダイビングを中止して医療機関に相談してください。

安全を優先しながら、一つひとつ経験を積んでいきましょう。

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