ダイビングを楽しみにしていたのに、
「今日は海が荒れているので中止です」
「波が高いので別のポイントに変更します」
「今日は潜らない方が安全です」
と言われたら、残念に感じますよね。
せっかく予定を空けて、器材を準備して、海まで来たのに……。
「せっかく来たんだから、少しくらいなら潜りたい」
そう思う気持ちもよく分かります。
でも、ダイビングでは**「潜ること」だけが技術ではありません。**
時には、
「今日は潜らない」
と判断することも、立派なダイビングの技術です。
潜れるかどうかと、安全に楽しめるかは別
海況が悪い日に、
「潜れるか、潜れないか」
だけで判断してしまうのは危険です。
実際には、
・波の高さ
・うねり
・流れ
・透明度
・風
・水温
・天候
・ポイントまでの移動状況
など、さまざまな条件を考える必要があります。
さらに重要なのが、
その海況で参加するダイバーが無理なく対応できるか
ということです。
経験豊富なダイバーなら問題なく対応できる海況でも、初心者にとっては大きな負担になることがあります。
「潜れる海」と「安全に楽しめる海」は、必ずしも同じではありません。
海は予定通りにはいかない
ダイビングの面白さでもあり、難しさでもあるのが、
海は人間の都合では動いてくれない
ということです。
天気予報では問題なさそうだったのに、現地に着いたら風が強くなっている。
朝は穏やかだったのに、時間が経つにつれて波が出てきた。
昨日は最高の海だったのに、今日は状況がまったく違う。
そんなことも珍しくありません。
だからこそ、ダイバーには、
その日の海を見て判断する力
が必要になります。
「せっかく来たから」は危険な考え方
ダイビングでは、
「せっかくここまで来たんだから」
という気持ちが、判断を難しくすることがあります。
交通費もかかった。
休みも取った。
楽しみにしていた。
一緒に来た友達もいる。
だから、
「多少海況が悪くても潜ろう」
となってしまう。
でも、ここで考えてほしいのが、
「今日潜らなかったら、何を失うのか?」
ということです。
多くの場合、失うのは「今日のダイビング」です。
一方、無理をしてトラブルが起きれば、もっと大きなものを失う可能性があります。
だからこそ、目の前の1本だけではなく、その先まで考えて判断することが大切です。
「あきらめる勇気」も大切
私自身もよく使う言葉ですが、
「あきらめる勇気」
は、ダイバーにとって非常に大切だと思っています。
もちろん、簡単にあきらめればいいという意味ではありません。
海況を確認して、
「今日は潜れるのか」
「ポイントを変更すれば安全に潜れるのか」
「時間を変更すれば問題ないのか」
「自分たちの経験や技術で対応できるのか」
を考えたうえで、
「今日はやめておこう」
と判断する。
これが「あきらめる勇気」です。
上手いダイバーほど無理をしない
本当に上手なダイバーは、
「どんな海でも潜れる人」
ではありません。
むしろ、
「今日はやめておいた方がいい」と判断できる人
こそ、海をよく理解しているダイバーだと思います。
自分の技術だけではなく、
海況や天候、体調、装備、メンバーの経験などを総合的に考える。
そして、必要なら中止する。
これは、水中で中性浮力を取ることや、上手にフィンキックすることと同じくらい大切な技術です。
インストラクターも「中止」という判断をする
インストラクターも、
「今日は絶対に潜らせなければいけない」
とは考えていません。
むしろ、安全を最優先するなら、
潜らないという選択肢を常に持っておくこと
が重要です。
特に初心者の場合、海況が悪い状態で無理に潜ると、
・エントリーやエキジットで体力を使う
・波やうねりで不安が強くなる
・耳抜きなどに集中できなくなる
・中性浮力が乱れやすくなる
・エア消費が増える
など、さまざまな負担が増える可能性があります。
「潜れるから潜る」のではなく、
「安全に楽しめるから潜る」
という考え方が大切です。
潜らないことは「負け」ではない
「今日は中止になった」
と聞くと、
「残念だった」
「せっかく来たのに」
と思うかもしれません。
もちろん、残念なのは当然です。
でも、
潜らなかった=失敗
ではありません。
むしろ、
「今日はやめておこう」
と判断して無事に帰る。
そして、
「次はもっと良い海で潜ろう」
と次の機会につなげる。
これもダイビングの楽しみ方の一つです。
海況判断ができるダイバーになろう
ダイビングを続けていくと、
「この波はちょっと厳しそうだな」
「今日は風向きが悪いな」
「この状況なら別のポイントの方が良さそうだな」
と、少しずつ海を見る目も養われていきます。
最初から完璧に判断する必要はありません。
経験を積みながら、
「この海況なら自分はどうするべきか」
を考える習慣を持つことが大切です。
そして、分からないときはインストラクターや経験者に相談する。
これも立派な判断です。
「また次がある」と考える
ダイビングは、一生に一度しかできないものではありません。
今日の海が悪かったなら、
また別の日に潜ればいい。
今日のポイントに入れなかったなら、
また次の機会に行けばいい。
そのくらいの余裕を持って海と付き合うことも大切です。
「今日は潜らない」ことが、次の楽しいダイビングにつながる。
そう考えられるようになると、無理をする必要がなくなります。
ダイビングでは、
「どうやったら潜れるか」
を考えることも大切です。
でも、それと同じくらい、
「どういう状況なら潜らない方がいいのか」
を考えることも大切です。
海況が悪い日に無理をしない。
自分の技術や経験を過信しない。
必要ならポイントを変更する。
それでも難しければ中止する。
そして、
「あきらめる勇気」を持つ。
これもダイバーに必要な大切な技術の一つだと思います。
楽しいダイビングを長く続けるためにも、
「今日はやめておこう」
と言えるダイバーでありたいですね。
ご相談などはお気軽にどうぞ!
ダイビングショップ セブンエース
(都市型ショップ 少人数制 マンツーマンもOK)
